災害時の運搬、山間部での業務など、運搬用ドローンが注目されています。

災害時に通常ルートでは運搬ができない場合や、山間部や離島など、人や車では移動に時間がかかる場所でも、ドローンであれば短時間で運搬ができ、作業時間の短縮・労働力不足の解消が可能です。またLTE通信機能搭載により、目視外環境での運用を実現できる機体も登場しています。

運搬ドローンのメリット

場所や時間を選ばない

ドローンによる運搬は、過疎地や山間部、離島などに物資を届けるために活用できます。上空を飛行するので、障害物と衝突するリスクも減らせます。交通渋滞も無いため目的地までの直線的な飛行も可能です。洪水や地震等による橋の流出やがけ崩れなどで、車両物流ルートが遮断された場合や、波浪による定期便欠航の場合などにおいても、ドローンで医薬品や食料品などの救援物資を現場に届けることが可能です。

運搬時間の大幅な短縮

ドローンは、1日50フライトで約1.5~2tの資材を運搬できます。これは作業員による運搬100~150往復に相当します。しかも運搬する車両を進入させるために作業道や索道の設置を行う必要がありません。大勢の作業員による重労働を必要とした資材運搬を、少人数で運用するドローン運搬に切り替えることで、人件費削減はもちろん、運搬業務時間の短縮により、大幅なコスト削減に繋げることも可能です。

社会的課題の解決

運送ドライバーの人手不足は低賃金や長時間労働などの構造的な問題による社会的課題です。そこで深刻なドライバー不足を補うことができる解決法の1つとして注目されているのがドローン運搬です。重い荷物を背負い険しいルートを作業員が移動することがないため、危険状況を回避するとともに、人の往復回数を大幅に軽減できます。さらに運搬で体力を消耗しないため、労働災害によるリスク低減にもつながります。

特に山間部での運用が期待されています。

山間部での苗木や獣害対策資材、法面での塗料の運搬、土木工事における資材運搬や索道工事支援、鉄塔近くでの資材運搬や架線・延線工事支援、山小屋への物資輸送や孤立地域における緊急支援物資輸送など、人力では困難なエリアでの運搬においてドローンは活用できます。山間地でのドローンによる重量物運搬の主なメリットとしては、①労働リスクの大幅な低減②人肩運搬と比較して工期短縮③作業員の離職率低下など、山間地において運搬業務が抱える課題を解決できます。

苗木運搬

山間地の斜面などに苗木を短時間で運搬できます。人力では、時間と労力、労働災害リスクもかかりますが、ドローンであれば数キロの苗木をウィンチに繋ぎ、任意の離陸場所から発着場所まで往復可能です。ウィンチは地面に荷物が届くと自動的に外れる仕組みのため、安全に苗木を地面に降ろすことが可能です。

防獣用フェンス運搬

獣害から苗木を守るための獣害防護柵をドローンが運搬します。重量があり作業員が運搬するには負担が大きいフェンスでも、ドローンであれば短時間で運搬ができます。急傾斜や狭い場所でも任意のポイントを決めれば、自動飛行も可能です。運搬と設置業務を分けることで、現場負担も軽減できます。

鉄塔資材運搬

鉄塔建設や補修、点検に関わる資材や工具、塗料などをドローンで運搬します。周辺に開いた場所が無くても、ドローンであればピンポイントで運搬が可能です。また新設される鉄塔では架線延長業務にも使用できます。 ファーストロープの導線は、通常、人力では2日かかりますが、ドローンを活用すれば半日で遂行できます。さらに作業に必要な工具やワイヤー、滑車、索吊アームを運搬できます。

DJI「FLYCART30」 商品説明

大容量の積載量
30kg

デュアルバッテリーモードでの最大積載量は30kg、シングルバッテリーモードでの最大積載量は40kg、大きな積載量で効率的な輸送を実現します。

飛行距離
16km

最長航続距離は28kmであり、デュアルバッテリーが完全に搭載されている場合、飛行距離は最大16km、遠隔地への輸送ニーズに応えます。

画像伝送距離
20km

DJI O3画像伝送機能による画像伝送距離は最大20km。画像伝送信号が干渉を受けた場合は、LTEに接続することで鮮明な画像を取得できます。

最大飛行高度
6,000m

保護レベルIP55で防水性と防塵性、-20℃~45℃の作業環境温度に適応。最大耐風性12m/s、最大飛行高度は6,000メートルで、どこにでも配送できます。

導入までの流れ

ライセンスの取得

運搬用ドローンの購入にはメーカーや機体毎に、オペレーターライセンスを取得することが必要な場合があります。技能認定書の取得・適用機種の教習・技能検定を受けて頂き、ライセンスの取得をして頂きます。

機体のご購入

利用目的に合わせた機体をご購入頂き、整備点検後に納品いたします。納品時には必ず飛行テストを行います。ご購入後は安全のため、定期的に機体点検をする必要があります。

飛行計画の立案

運搬用ドローンを飛行させるには飛行エリアと重量、運搬距離や運搬回数などで飛行計画を立てます。効率的な飛行ルートを自動作成できる機体もあり、作業の利便性が高まります。

運搬の実施

運搬作業では一般的に操縦オペレーターと補助を行うナビゲーターの2人体制で運搬作業を行います。天候や風、周囲の人や物に十分に配慮した安全な運搬を実施します。

対応機材

イームズロボティクス E6150TC

第二種型式認証(申請中)のE6150TCは、安全性・品質共に再設計された6枚プロペラの物資輸送用機体です。E6150TCは、各地で行われているドローン物流実証試験での利用を想定しており、無⼈地帯での補助者無し⽬視外飛行『レベル3』、『レベル3.5』が可能です。型式認証取得予定機体のため、均一性基準をもいたした製造体系で、耐久テスト、セキュリティ、ソフトウェアなど法律に基づいた試験実施済みの、安全性の高いドローンです。本機種は「カテゴリー2」飛行が可能であり、⼆等無⼈航空機操縦士による操縦では⼀部の特定飛行を除き、従来の許可承認を得ずとも『レベル3』までの飛行が可能。つまり、目視外飛行はもちろん、夜間飛行も可能になります。型式認証機体のため、飛行ごとに飛行申請が不要(※機体登録、機体認証は必須)で、各種検証や運航ノウハウの蓄積がより効率的に実現できます。

ACSL PF2-AE Delivery

ACSL PF2-AE Deliveryは、SOTEN(蒼天)で開発したセキュアなシステムを搭載し、より進化したインフラ物流ドローンです。長距離飛行・目視外へリアへの飛行ができるLTE通信に対応したドローンで、山間部や長距離での目視外での飛行において、離陸地点と着陸地点での安全な監視が可能です。セキュリティの面でも安心して使用できる国産ドローンです。

SKYDRIVE SkyLift

1回の飛行で30kgの重量物を運ぶ国産の物流ドローン”SkyLift”。コストや地形的に、クレーンやヘリの活用が難しい現場でも、重量物を安全に自動運搬できます。非着陸での荷下ろしも可能です。山間部での作業の省人化や重労働の負担軽減に寄与します。

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