オルソ画像の作成だけではなく、土地の解析や地形調査まで可能です。
空中写真測量は、航空機やドローンなどから撮影された高解像度の空中写真を利用して地表の特定の地点や地域の精密な測量を行う手法です。自然地形、建築物、構造物などを撮影するなどして、目的にあわせた測量を行い、地上や水中の形状を計測することができます。これにより災害・自然環境・土木・測量等の元となるデータを作成することが可能です。従来の作業者による測量と比較すると短時間で済むため、現場での作業時間は圧倒的に短縮されます。設定したルートを自動航行することにより、正確な飛行も可能となりました。また山間部や沿岸部などの現地に直接立ち入る必要がないため、より安全で効率よく作業を行うことができます。
1.航空写真の撮影
専用の航空機やドローンが空中から特定の地域を撮影します。これにより、広範囲かつ高精細な写真データが収集されます。
2.標定点の設置
地上に測量ポイント(標定点)を設置し、これらのポイントを写真上で特定できるようにします。これにより、写真の歪みやずれを補正し、精密な地図を作成する基準となります。
3.写真の補正
撮影された写真は地球の曲率や位置の高度差により歪みが生じます。標定点を使用して写真を補正し、正確な地理的位置を表すように修正します。
4.デジタル画像処理
補正された写真はデジタル画像処理ソフトウェアを使用して処理されます。画像内の地物や地形を識別し、ピクセルの輝度や色調を解析して地物の特性を抽出します。
5.三次元モデルの生成
写真から得られたデータを用いて、地表の三次元モデルを生成します。これにより、地形や建物などの高さや形状を精密に測定することが可能です。
6.測量結果の提供
空中写真測量の結果として、地図、高度モデル、地形図などが生成されます。その精密な測定データは土木工事、土地利用計画、環境モニタリング、災害調査などの分野で有益に活用され、効果的な意思決定をサポートできます。
ドローン写真測量 撮影した写真で3次元地形データを作成して測量します。
ドローンに搭載された光学カメラで複数枚撮影した写真をつなぎ合わせて地形データを取得する方法です。データを元にして、ソフトウェアで解析することで3次元地形データを作成することができます。空中で撮影した画像の精度を高めるために、地上には目印となる対空標識を設置します。災害現場では初期状況把握、災害復旧計画の支援、工事現場では、掘削土量の算出、出来形管理などができます。また傾斜崩壊や地滑り現場など、人の立ち入りが困難な場所でも状況把握が可能になります。
ドローンレーザ測量 レーザスキャナを搭載して地表を測量する方法です。
ドローンに搭載したレーザスキャナで地表にレーザを広範囲に照射し、反射したレーザの情報を基に地表との距離を測定して点群データを取得します。写真測量よりも精密な地表データを取得することが可能です。レーザは樹木間をすり抜けて地表まで到達するため、伐採前の山林など、写真測量ではデータを取得しにくい場所での測量に適しています。
3Dマッピング用LiDAR測量 ドローンが飛行不可なエリアを計測可能です。
バックパック型やハンドヘルド型のLiDARスキャナを使用して、徒歩で簡単に計測や測量ができます。市街地や工場、ビルなどの施設内、トンネル内部、鉱山や森林、遺跡での調査など、GPSが入らない環境下でも点群を取得可能です。RGBカメラを追加することなどで、際の建物などの色合いを付けることができます。
マルチビーム深浅測量 無人ラジコンボートで水中を測量します。
無人ラジコンボートや水中ドローンにナローマルチビームを搭載することで、海底や湖底などの水中環境でも高精度の深浅測量が可能になりました。一度に広範囲の超音波を発信し、海底で音波が跳ね返る反射音から地形を測定するという方法です。従来方法に比べて、安全性も高く、環境負荷も軽減できます。
対応機材
MATRICE 350 RTKは、優れた飛行性能、高性能センサーによる障害物検知性能、マルチセンサーカメラとの連動性など産業用ドローンとしての卓越した性能を備えたプロフェッショナル用ドローンです。デュアルジンバルにより赤外線カメラとズームカメラなど、異なる機能を持つカメラを搭載可能です。
Matrice 350 RTKに搭載可能なフルサイズセンサーを搭載した高性能航空測量用カメラです。目的の焦点距離に応じて交換可能な単焦点レンズを3軸ジンバルスタビライザーに搭載しています。 航空写真測量用に設計され、精度と効率をまったく新しいレベルに引き上げます。
Zenmuse L2は、フレームベースのLiDAR、独自開発の高精度IMUシステム、4/3型CMOS RGBマッピング カメラを一つに統合し、信頼性の高い地形データを取得できる、より高精度で高効率なDJI 飛行プラットフォームです。DJI Terraと併用すると、3Dデータ収集や高精度の後処理を実現するターンキーソリューションとなります。
Mavic 3 Enterpriseシリーズ(Mavic 3E、Mavic 3T)は、業務用小型ドローンの業界標準を一新します。Mavic 3Eは、メカニカルシャッター、56倍ズーム対応カメラ、cmレベルの正確な測位を実現するRTKモジュールを搭載し、マッピングなどの業務効率性を新たな高みへと向上させます。
エアロボPPKは、2周波GNSS受信機を搭載し、後処理キネマティック測位が可能な国産の写真測量対応ドローンです。測量や点検用に特化し、高速シャッターに対応し、メカニカルシャッター機構を備え、画像の歪みを抑えます。Herelink HD Transmissionを採用することで直距離の通信性能を実現。手元のプロポでドローンのカメラ映像を確認できるため、周囲の状況を確認しながら安全に飛行させることができます。
PF2-AEは、これまで多くの企業と実証実験を重ねていく中で、用途別に必要な機能やスペックを探求し、より使いやすくカスタマイズしたドローンになります。YellowScan社製LiDAR Mapper+/Ultra2Mapper+を搭載しています。小型・軽量でありながら、公共作業での地形測量・マッピングに適用する、汎用のドローン用Lidar計測システムです。いずれもYellowボタンひとつによる簡単な操作でありながら、安定した精度の計測を提供する高い信頼性と現場での実践力を備えたシステムになります。
Wingtra Oneは2個のプロペラと2枚のフラップのみを使って、回転翼ドローンのような垂直離着陸と、固定翼の特長である高速水平飛行の両方を実現させました。限られた狭い場所での離陸・着陸を可能とし、同時に最長約1時間の高速飛行で広範囲の空撮を行うことができます。ペイロードとして、農業用リモートセンシングに必要なマルチスペクトラルカメラや、数センチの精度でのマッピングを可能にする高解像度RGBカメラ及び同社開発のPPKモジュールを搭載することができます。長く伸びる高速道路、山間部やダムのような広域現場、広域自然災害現場での緊急調査にも役立ちます。また、地形追従飛行機能も搭載しており、地表高度を自動計算することで最適な高度でのフライトが可能となります。
エアロボマーカーは、測位精度約1cmのスタティック測位可能なGNSS衛星電波受信機内蔵の対空標識です。小型軽量で設置して電源を入れるだけの簡単操作により現場での測量工数とデータ処理工数を大幅に削減できます。2級GNSS測量機器としても利用可能です。
「Yellowscan Voyager」は、「RIEGL VUX-120」スキャナを搭載し、最大440mのレンジを持つ最高級のLidarソリューションです。100°の広い視野角と、毎秒180万点の高速パルスレートにより、高密度の点群を必要とするプロジェクトに適したLidarです。計測精度は1cm~2cm、エコー数15により、地形データを取得します。
イタリアに拠点を構える3DT社のドローン向けレーザスキャナ(LiDAR)である「scanfly」シリーズは小型・高性能で多くの汎用UAVに搭載することが可能です。またUAVだけでなくその可搬性を活かし、バックパックや自動車へ搭載することで、人口密集地や山間部など様々なフィールドの3Dデータを取得できます。スキャナ本体に加えてUAVへの取り付けに必要なマウント、レンズキャリブレーション済みRGBカメラ、後処理用ソフト、講習、保守サービスまでをセットとしたオールインワンパッケージです。
Hovermap ST-Xは、最新のLiDARセンシング技術を組み込んだSLAM型マッピング・スキャナです。頑丈で軽量、耐候性に優れた設計により、ドローン、バックパック、車載、ハンドリングスキャナとして使うことができます。地上または地下、屋内外の環境でも機能します。測量以外にも、点検や考古学、土木工学での活用が可能です。